Black Beast.



定期的に溜息を零す希くんを
横目に呆れたような顔をした
玲央くんがみんなを集めた。



「 璃玖、お前は佐渡の居場所探せ 」


「 ん~~ 」



ペットボトルから口を離した彼は
携帯を片手に私たちから少し離れた。



「 サボらせて悪いな、柚菜 」


「 ・・・へ? 」


「 喧嘩しに行くんじゃねーし
  手、出されるまで出すなよ? 」



・・・・私は授業をサボる前提で
話を聞かされているらしい。



すずくんの言う作戦の内容が
私には全く伝わってこなくて、
聞き返そうとしたその時、
璃玖くんがこっちに戻ってきた。



「 10人前後で表通り
  歩いてるみたいだよ 」


「 ゲーセンか 」


「 2階はカラオケだし、
  間違いなさそうだね 」



ボソッと呟いた玲央くんの隣で
探偵のような素振りをしながら
すずくんがそう言った。



・・・・尾行でもするんだろうか。



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