Black Beast.



「 俺らはあっちからでしょ? 」


「 あぁ、手出されるまで出すなよ? 」


「 分かってるってー! 」



学校を出てすぐに拓未くんと
大勇くんと別れて、しばらくして
すずくんと璃玖くんも別れた。



密着しているせいで歩き辛い。
・・・それに、後ろには希くんも居る。



「 あの、逃げないので
  離してください・・・ 」


「 逃げるなんて思ってねーよ 」



ふっ、と小さく笑った彼は
どうやら手を離す気はないらしい。



助けてもらおうとすぐ後ろを
歩いていた希くんを見ると
バチッと目が合った。



屋上を出て階段を下りた途端
すっかり元気になったらしい彼は
振り向いた私を見て目を細めると
”どうかした?”と首を傾げていた。



「 ・・・・? 」



屋上に居たときとは全然違う
柔らかい雰囲気に驚いたけど
口パクで”たすけて”と言う私を
楽しそうに見ている彼は
他のみんなと一緒で意地悪だった。



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