Black Beast.
「 いや、別に 」
全然いいから、と困った顔をする
拓未くんは別人のようだった。
帽子のせいで顔を見慣れていないからか、
それとも、この金髪を見慣れていないからか、初めて会った人のようにまじまじと見てしまう。
「 なんか変? 」
「 あ、・・・パーカーは・・・? 」
「 あぁ、まぁ・・・学校で金髪って
目立つから着てるだけ 」
「 ?・・・そうなんですか 」
他にも何か理由がありそうな感じがしたけど
私たちの通っている高校は校則が緩いだけで不良校っていうわけじゃないし、
金髪が目立つって言うのはよく分かる。
普通に納得できたから
深く聞くのはやめておいた。
「 あ、見つかった 」
ずっとすずくんたちの方を見ていた
大勇くんがボソッと呟いた。
・・・・目が、笑ってない・・・。
ゾワッと寒気がして、玲央くんの
隣に戻った。