Black Beast.



大勇くんたちはすずくんたちの方へ
ゆっくり歩いていって、私はそれを
見ながら玲央くんの裾をきゅっと
握っていた。



あの時は口元すら笑ってなかったけど、
あれはあれで・・・怖い。



「 柚菜 」


「 ・・・・・? 」


「 ん、やる 」



手渡された白色と黒色の
クマのぬいぐるみに顔を埋めると、
彼が私の髪を撫でた。



黒って言ったのに、隣の
白色のクマも取ってくれたんだ・・・。



「 ・・・よォ、龍崎 」



普通のカップルみたい・・・なんて
トキめいていた私のすぐ傍で
聞き覚えのある声が聞こえた。



「 その女、チャラ男のじゃねーの? 」


「 見れば分かんだろ? 」


「 へぇ・・・? 」



あの時、大勇くんと喧嘩していた人だ。



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