Black Beast.
「 ・・・龍崎の女と大勇が
なんで保健室に居たんだ? 」
口元を歪めて詰め寄ってくる彼は
真っ直ぐ私を見下ろして、
ぺろり、と唇を舐めた。
「 本当に龍崎の女?
ただの男好きとかじゃねぇの~? 」
ケラケラ笑いながら”なぁ?”と
玲央くんに視線を移した彼の表情が
一瞬にして凍りついた。
─────────────ドカッ
「 玲央に喧嘩売るほど
お前ってバカだったんだな 」
玲央くんがどんな表情をしているかは
私には見えない。
だけど、挑発していたあの人を
目だけで黙らせたのは間違いなく
玲央くんだった。
「 佐渡、お前もう少し考えて行動しろよ 」
後ろから蹴り倒された彼は
何も言わずただ黙って玲央くんを
睨んでいた。