Black Beast.




















「 俺の女に手、出すな 」



彼が一言、そう言った。
それだけだった。



大勇くんの言葉にビクとも
しなかった彼が、低い玲央くんの声に
ビクッと肩を上げて、よろよろと
立ち上がると仲間を連れて出て行った。



「 え?なに?女!? 」



いつの間にか奥のレースゲーム機で
遊んでいたすずくんと璃玖くんは無傷で、
大勇くんは玲央くんに”どういうこと!?”と
何度も何度も聞いていた。



「 ・・・・・あれ、佐渡は? 」



裏口から入って来たらしい希くんは
そんなみんなを見てきょとんとしていた。



「 遅ぇよ! 」



なんてみんなにツッコまれて
希くんは苦笑していた。



< 69 / 336 >

この作品をシェア

pagetop