Black Beast.
楽しそうにじゃれあうみんなを他所に
私だけクマに顔を埋めて、
なかなか落ち着かない心臓に
内心首を傾げていた。
──────────”俺の女に手、出すな”
耳の奥に残っている低い声と言葉が
・・・・・素直に、嬉しくて。
自覚も、実感もなかったのに、
たった一言でこんなに変わるなんて。
玲央くんが、私の彼氏・・・なんて、
信じられないような、
信じたくないような。
だけど、玲央くんの言葉にいちいち
心臓が飛び跳ねるのは・・・?
───────────私の、気持ちは・・・?
すずくんの言っていた作戦は
どうやら成功したらしい。
楽しそうな笑い声の中心で
私は1人、悶々としていた。