Black Beast.
「 ────────みんなデカいし・・・ 」
ボソッとそう呟いたすずくんは
悔しそうに顔を歪めていた。
座っていた私と璃玖くん、
玲央くんからは多分その表情が
バッチリ見えていた。
「 ・・・すずくん!!! 」
腕を掴んでいた玲央くんの手を
バッと振り払って、すずくんに
抱きつくと、教室内に笑い声が響いた。
子どもや子犬が目の前に居る感覚に
なっていた私は自分よりすずくんの方が
大きいにも関わらず、強く抱きついて、
それを見てなのか、すずくんの言葉を
聞いてなのか、大勇くんたちは
お腹を抱えて笑っていた。
「 俺のことまた可愛いって思ってたら
怒るぞ、柚菜 」
もちろん可愛いと思ってたけど、
分かってる、と首を縦に振った。