Black Beast.
・・・・へ?
「 ・・・・なに、忘れたの 」
痛いくらいに抱きしめる腕が
私を締め付けて、だけどその痛みを
感じるよりも先に体が離された。
「 あ、の・・・ 」
「 忘れたなんて言わせねぇ 」
今彼が怒っていることと
昨日のこととの繋がりが私には
見えなくて、分からなくて。
酷く歪んだ彼の顔が一瞬
目に入って、
「 ・・・・ッん 」
気付けば、口を塞がれていた。
口内はまだ私の血の味が
充満していて、それを取り除くように
彼が何度も何度もキスをされた。
チュッと最後にリップ音を
響かせた彼がそっと唇を離して、
私の頬に左手を添えた。
「 玲央く・・・ッ 」
「 なんで、俺が怒ってるか
分かった? 」
・・・・分からない。