Black Beast.
「 嫉妬なんて、カッコわりー・・・最悪 」
はぁー・・・と長い溜息のあと、
ゴツン、と彼と私の額がぶつかった。
「 ヤキモチなんて、漫画の中だけだと
思ってたの・・・ 」
「 んなわけねぇだろ・・・ 」
言葉にしないと分からない。
私のためにこんなに怒る人が
居るなんて、知らなかった。
「 ・・・ありがとう、玲央くん 」
「 いつの間にその呼び方に
なったわけ? 」
「 へ?・・・あ!! 」
本当に、いつの間に・・って口を
両手で覆った私を見て、彼が
ふっ、と目を細めて笑った。