Black Beast.
「 いい、その呼び方で 」
「 えっ・・・・ 」
「 なに?嫌なわけ? 」
「 ・・・・べ、別に 」
意地悪そうに笑った彼が
額に、頬に、キスを落として、
「 目、開けろよ 」
そう言われて、
反射的に閉じていた目を
そっと開けると、伏せた目と
バッチリ目が合った。
「 ~~~~~ッ 」
「 閉じるなよ? 」
唇が触れるその瞬間まで
”閉じるな”と言う彼は
恥ずかしくて死にそうな
私を見て楽しそうに笑っていた。
「 ─────────意地悪 」
「 褒め言葉だな 」
キスの後のちょっとした会話で、
心底意地の悪い人の彼女に
なってしまったんだと気付いたけど、
・・・・・もう遅かった。