Black Beast.
「 いいから 」
「 ?・・・そう 」
私の前を歩く玲央くんの耳が
少し赤くなっているのを見て
ジワジワと私の顔も赤くなって行く。
・・・・新婚さんみたい・・・。
「 2人してなに赤くなってんの! 」
「 あ、コラ!!すずお前なぁ・・・ 」
「 なんだよ~~ 」
ひょっこり顔を出したすずくんは
後ろにいた大勇くんに頭を小突かれて
ムッと顔を歪めていた。
身長の高い大勇くんは商品棚の上から
私たちを見ることなんて簡単だろうけど、
すずくんは普通に商品を見ていただけらしく
何で怒られているのか分かってないようだ。
「 俺たちに構わず続けて続けて~ 」
すずくんの肩を掴んで方向転換させると
大勇くんがそう言ってヘラッと笑った。
「 ・・・や、やっぱり嘘かも~ 」
玲央くんと目が合ったらしい大勇くんは
すずくんの肩を押しながら逃げていった。
はぁ、と大きな溜息が耳を掠めて
顔を上げるとすぐ隣に玲央くんが居た。