Black Beast.



それなりに広い店内なのに
時々すずくんや大勇くん、
璃玖くんの声が聞こえるのは
気のせいだと思いたい。



「 あれ、柚菜ちゃん? 」


「 わっ・・・!! 」


「 え、玲央・・・ 」



急に出てきたと思ったら
私の手を掴んだ希くんは
私の前を歩いていた玲央くんに
気付いた途端、パッと手を離した。



「 そんな睨むなよ・・・ 」


「 希くん、それは? 」


「 んー?あ、これ? 」



玲央くんの視線に苦笑する希くんは
片手にたくさん商品を持っていた。



「 適当に要りそうな物? 」


「 ・・・多いね? 」


「 そう?まぁ、柚菜ちゃんは
  1つで十分だろうけど・・・
  アイツらがね・・・ 」


「 ・・・なるほど 」



玲央くんの持つカゴに入れながら
未だに騒いでいるらしい”アイツら”の方へ
視線を移す希くんの言葉には
かなりの説得力があった。



花火を両手で持って振り回して
遊んでそうな3人組のことだ。
クラッカーも両手でやりたがりそう・・・。



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