Black Beast.
「 柚菜、言いすぎ 」
「 ・・・・へ? 」
「 戻してくる 」
「 え!? 」
プルプルと小刻みに震える手を
カゴの中に突っ込んで、
さっき入れたばかりの商品を
取っていく。
急にどうしたの?と焦って
希くんを止めようにも
既に持ってきた商品を手に
持ってしまっている彼を
どう止めればいいのか分からなくて
視線で玲央くんに助けを求めた。
「 めんどくせーなぁ・・・。
柚菜なりの褒め言葉だって 」
「 ・・・・笑ってんじゃん 」
「 笑ってねーよ 」
小さな舌打ちをした玲央くんが
バシッと希くんの手を叩くと
持っていた商品が再度カゴの中へ
落ちていった。
「 これで全部? 」
「 ・・・・おう 」
「 ん、あっちのバカ連れて
外で待ってろ 」
「 ・・・・分かった 」
よく分からないけどお会計をするらしい。
しょんぼりした希くんの背中を
バシッと叩いた玲央くんは
私の手を引いてレジへと足を向けた。