Black Beast.



「 ふーん・・・ 」



私の行動に一瞬驚いたように
目を見開いた彼は、満足気に
口元を歪めて足を進めた。



「 柚菜! 」


「 わっ!!すずくん? 」



お店の自動ドアの手前で
後ろからすずくんに背中を押された。
躓きそうになった私を
玲央くんが抱き寄せてくれた。



「 まだ中に居たの? 」


「 んーん、便所! 」


「 べ・・・・ 」



可愛い笑顔でそんな言葉・・・。
この子はなんなんだろう。



「 大勇くんたちもトイレ? 」


「 俺だけ! 」


「 そ、そっか・・・ 」



苦笑する私の隣で玲央くんは
呆れたように溜息を零していて、
そんな私たちに”どうしたの”と
首を傾げたすずくんは玲央くんが
持っていた袋を1つ奪い取って
一足早くお店から出て行った。



買いすぎて袋から商品が
はみ出していたからか、
迷うことなくクラッカーや
お皿が入った方の袋を取って行ったようだ。



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