密の味~ふざけた関係~
不意に。
手の甲に体温が被さる。
手を重ねられたのだとわかって、間宮に視線を向けた。
「ほら、あった」
あった、じゃねーよ。
得意げな顔がやけに憎たらしい。
「ガキ」
面白くないから、わざと自尊心を傷つけるような言葉を選んで言ってやった。
「この程度で心配とか余裕無さすぎだし」
「ひっでぇ」
「言っとくけどね。『女』はよっぽど気に入った男でない限り、簡単に落ちないから」
「気に入ってればアリなんじゃん」
拗ねた口調で睨まれたけど無視してやった。
「でもさ、砂羽ちゃん」
おもむろに。
重なっていた手が今度は膝の上へ移動した。
「『男』ってさ『この程度』でも許されたら、付け上がっちゃうんだよね」
膝に置かれた手が、ゆっくりと蠢き出す。