オレ様専務を24時間 護衛する
私は彼の首元に顔を埋める形で抱きしめられている。
本当に……どうしよう。
彼の腕から逃れるのは容易い。
ギュッと抱きしめられてるけど、
みぞおちに一発打ち込めば逃れられる。
けれど、それでは彼を起こしてしまう。
こんなに気持ち良さそうに寝ているのを
一発で仕留めるのは心が引ける。
今日は土曜日。
仕事は休日でスケジュール的にも何も無い。
だったら、彼が起きるまで我慢する?
はぁぁ―――あぁぁ~~。
私は一体、どうしたらいいんだろう?
ブラインドの隙間から眩しい朝日が漏れている。
時計の秒針音と部屋の空調音。
静寂な部屋に刻まれる彼の寝息。
美しすぎる彼の寝顔に見惚れてしまう私。
ほんの少し伸びかけた彼の顎鬚。
男性には贅沢過ぎる程の長いまつ毛。
そして、
昨日の出来事を思い出させる
アルコールの匂いが香る彼の吐息。