オレ様専務を24時間 護衛する
7 麻痺する日常
京夜side
アイツが俺の家に住むようになって2週間。
自分の居住空間に他人がいる事を
死ぬほど毛嫌いしていた俺が、
何故か、アイツが居ても違和感が無い。
今までの家政婦は俺にイチイチ確認を取り、
その度に合わせなくてもいい顔を合わせていた。
けれど、松波は違う。
最初の数日はその都度確認していたが、
4日を過ぎた頃からか、
俺の行動パターンを先読みして
俺の身の周りの世話をしている。
一体、何なんだ?
アイツは男だろ??
ますますアイツが怪しく思えてならない。
毎日の日課になりつつあるツーリング。
これだって、自分で自分が信じられない。
他人に障られるのが死ぬほど嫌だったのに、
俺はアイツに愛車を託している。
アイツの運転は綺麗過ぎる走行型。
恐らく、護衛の一環で教わったのだろう。
だからなのか、アイツの愛車に対する扱いが
丁寧な気がして安心している俺。
それに比べ、俺の走りは攻めに近い。
そんな俺が、アイツとのツーリングで
アイツの走りに合わせている。
……マジで俺、どうかしてる。