オレ様専務を24時間 護衛する


エレベーターに乗った私達。

相変わらず、彼は無言で目を閉じている。

私はそんな彼をチラ見していると、


「おい、松波」

「は、はい」


もしかして、チラ見してたのがバレた?!

息を飲んで彼を見つめると、


「お前、女の扱いには慣れてるか?」

「……はっ?」


彼は真顔で聞いて来た。

女の扱いって……どういう意味?

私は今、男装してるワケだから

『女性との交際経験が豊富か?』って事?

……そんなもの、あるワケない。

私は身なりが“男”でも中身は“女”なんだから。


「あの……答えないとダメですか?」

「俺が冗談言ってるとでも?」


ひょえぇ~~目が怒ってる~~。

ヤバい、地雷を踏んだかも。

京夜様は大の女嫌い。

女性に関する話題も厳禁。

彼の凄む表情に委縮しながら


「い、いえ……全くありません」

「そんなにも綺麗な顔立ちでか?」

「はい?」


< 132 / 673 >

この作品をシェア

pagetop