オレ様専務を24時間 護衛する
エレベーターに乗った私達。
相変わらず、彼は無言で目を閉じている。
私はそんな彼をチラ見していると、
「おい、松波」
「は、はい」
もしかして、チラ見してたのがバレた?!
息を飲んで彼を見つめると、
「お前、女の扱いには慣れてるか?」
「……はっ?」
彼は真顔で聞いて来た。
女の扱いって……どういう意味?
私は今、男装してるワケだから
『女性との交際経験が豊富か?』って事?
……そんなもの、あるワケない。
私は身なりが“男”でも中身は“女”なんだから。
「あの……答えないとダメですか?」
「俺が冗談言ってるとでも?」
ひょえぇ~~目が怒ってる~~。
ヤバい、地雷を踏んだかも。
京夜様は大の女嫌い。
女性に関する話題も厳禁。
彼の凄む表情に委縮しながら
「い、いえ……全くありません」
「そんなにも綺麗な顔立ちでか?」
「はい?」