オレ様専務を24時間 護衛する


綺麗、キレイ、きれい……

頭の中で連呼される最上級の褒め言葉。

男の人に生まれて初めて言われたかも。


―――――でも……。

これって、私を“男”として

綺麗な顔立ちと判断しているワケで……。

何だかとっても複雑な気分。


「じゃあ、今まで真面に付き合った事がないのか?」

「え?」


返答に困っていると、


「もしかして、女と寝た事もないのか?」


私を男だと思い込んでる彼は

憐みのような困惑のような

複雑な表情を浮かべた。


『25歳の健全な男子』が

今のご時世、未だに経験が……。


私は正真正銘“女”なんだから

女の人と寝るだなんてあるワケない。

話を合わせる為に

“ある”と嘘をついたとして

後でややこしくなっても困るし。

ここはハッキリ“ない”と

言った方がいいに決まってる。


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