オレ様専務を24時間 護衛する
「俺の代わりに出れるか?」
「はい?!!」
今、何て言った?
『代わりに出れるか?』
「むむむむ、無理に決まってるじゃないですか!?」
「……だよな」
「財界のお偉い方々がいらっしゃるような場に、京夜様の身代わりだなんて…」
「はあぁ~~まいったなぁ~~」
彼は両手で髪をぐしゃぐしゃに掻き乱した。
初めて見た彼のこんな姿。
いつも凛としていて、クールフェイス。
仕事をしている時は熱い瞳で。
けれど、こんなにも困っている様子は初めて。
「あの、そのパーティーが何か?」
「ん?パーティーか?」
「はい。お困りのようですが…」
「んー……」
表情を曇らせ、ため息をつく彼。
私はそんな彼に目で訴えると、
「御影が出席するようなパーティーは全て……“パートナー同伴”が当たり前」
「えぇ?」
「俺が仕方なく、どこかの令嬢と出席すれば、翌朝の朝刊は間違いなく“熱愛”と出るだろうな」