オレ様専務を24時間 護衛する


「そうですね、例えば…金銭感覚が乏しく浪費してしまったり、恋人や家族よりも体裁を気にしたり、言葉と行動が伴わなかったり…」

「ん~……」

「要するに、働きもせずお金を使い込んだり、口だけでグータラしてる男です」

「ふ~ん、そんな奴のどこがいいんだ?」


腑に落ちない表情の彼。

普通はそうだよね。

ってか、私だってそんな男はお断りだもん。


「ダメな男を真面な人間にしたいと思考が働くようです」

「へ?」

「母性本能ってヤツですかね?助けてあげたい。救ってあげたい。支えてあげたい…そう、思うみたいです」

「んー……なるほどな」


顎に指先を当て、軽く頷く彼。

女性の気持ちなんて考えた事もないようで

真面目な顔して聞き入っている。


「だから、ご安心下さい。京夜様とは正反対ですから」

「フッ、お前に褒められてもな」

「とりあえず、週末のお休みに会ってみます」

「大丈夫そうか?」

「分かりませんが、多分…。今夜、電話を入れてみますので」

「あぁ、頼む」


やっと柔らかい表情になった彼を背に

私は専務室を後にした。


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