オレ様専務を24時間 護衛する
8 ドアの向こうで…
希和side
京夜様からパーティーの相談を受けた晩。
1日の仕事を全て終え、
彼が寝室へと入って行くのを見届けた後
私は重い足取りで自室へと向かった。
真っ暗な部屋の照明を点灯させ、
全身の緊張から解放されたように
大きなベッドへ倒れ込む。
今日も1日、良く頑張ったなぁ。
就寝時以外、常に行動を共にして
良く倒れずにいられると自分自身に感心する。
幼い頃から鍛えて来ただけあって、
心身共に相当タフらしい。
はあぁ~~あぁ~~~。
ますます憧れの『か弱い乙女』から離れて行く。
私だってバッチリメイクでお洒落して、
可愛い雑貨屋さん巡りや流行のカフェでお茶したり
周りの目も気にせず、ケーキバイキングで
気持ち悪くなるほど食べてみたい。
私が『女の子』扱いされたのは10歳くらいまで。
もう、その記憶さえ曖昧に。
もしかしたらこのまま一生『恋』も知らず、
人生を終えるのではないかと思えてならない。