オレ様専務を24時間 護衛する
あぁ~~ダメダメ。
後ろ向きな考えは“負”のオーラを呼び寄せちゃう。
なるようにしかならないし、
『運命』というモノがあるならば、
きっと私にも、その光が差す時が必ず来るハズ。
今はその時を見逃さない為にも
やれる事はきちんとしないと。
気持ちをリセットし、
スウェットをたくし上げ、
自分を『男』に変身させる魔法のアイテムを解いて。
ああぁぁ~~スッキリしたぁ。
大分慣れたとはいえ、やはり窮屈。
それに、毎日ぎゅうぎゅうに締め付けて
これで胸が垂れたらどうしよう。
あっ、でも垂れるほど無いか、私の胸。
一応、Bカップはあるんだけどなぁ。
解いたさらしをベッドの上に置いて、
ポケットから携帯電話を取り出した。
この生活を始めて2週間。
両親と真面な会話も無いまま、
親友の佐田朱夏(さた あけな・25)とも音信普通。
携帯電話は常にサイレント設定で、
不在着信になっていても、
私からかけ返す事は許されない。