オレ様専務を24時間 護衛する


うっかり極秘任務を口走る事も想定されていて、

手渡されたファイルに記されていた。


『携帯電話は、緊急時及び許可された場合のみ使用可』


本当にここは隔離された世界。

恐らく、“御影”だからなんだろうね。

機密事項の漏洩を防ぐ為。


きっと、この極秘任務の話が持ち上がった際に

両親にも説明をしているのだろう。

1度も連絡が無いという事は……。

有難いような、悲しいような。


私は深呼吸して、電話をかける。


「もしもし?」


5回ほどのコールで懐かしい声が耳に届いた。

2週間ぶりに聞く、朱夏の声。


「もしもし、朱夏?」

「希和!!どうしたのよ?!」

「うっ……うん、ちょっと色々あって…」


深夜だというのに元気な朱夏の声。

懐かしくて涙目になっちゃうよ。


「もう寝る?」

「寝ようと思ったけど、やめにする」

「ありがと」

「うん、そんな事はどうでもいいよ!それより、一体何があったの?!」


声高な朱夏の声が耳に響いた。

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