オレ様専務を24時間 護衛する
「京夜様?」
「あっ……ええぇっとぉぉ……」
言葉が吃る彼。
動揺気味に顔を曇らせて、
「言い忘れたんだが、明日は朝一で実家へ行く」
「京夜様のご実家へですか?」
「あぁ、母親から電話があって」
何故か、視線を逸らした彼。
「承知しました。他に何かございますか?」
「あっ、いや……それだけだ。電話中の所、邪魔して悪かったな」
「いえ、大丈夫です。お気遣いなく」
私が彼へ軽く会釈すると、
彼は『おやすみ』と一言だけ口にして、去って行った。
「おやすみなさいませ」
彼の後を追うように廊下へ出ると、
バタンッと彼の部屋のドアが閉まった。
私は素早く自室へと戻り、
はああぁぁぁ~~~~。
私は膝から崩れるようにその場に座り込んだ。
動悸がハンパない。
全身の毛穴が開き、尋常でない程の汗が噴き出す。
―――――バレた?!
無言の彼が返って私の恐怖心を煽る。
その夜―――――
超特大の時限爆弾を抱え、
緊張のあまり、眠れぬ夜を過ごした。