オレ様専務を24時間 護衛する
午前0時を回ろうとしている。
まだ、アイツ起きてるよな?
ついさっきまで一緒にいたし、
そんな簡単には寝ないよな?
俺は松波の部屋のドアを
ノックしようと手を上げた
その時―――――!!
『……もう!!あけな怒るよ?!』
………あけな?
あっ、女の名前か。
普段の松波からは想像も出来ないような怒声が
ドアの奥から漏れて来た。
あまりの異質な声音に
思わず、ノックする事も忘れ
ドアの前で立ち尽くした。
今のは本当にアイツの声だったか?
何だか、声音自体に違和感を覚えた。
ドア越しに誰かと話している様子が窺える。
恐らく、アイツが話していた知人の女へ
今、電話でもしているのだろう。
ノックしようと振り上げた手を下ろし、
俺の要件を話しているだろうから、
もう少し時間を置いて、また来るか。
せっかく、アイツが頼んでくれているんだ。
邪魔して断られでもしたら、元も子もない。
あの様子だと、まだ暫く掛かりそうだ。
自室へ戻ろうと踵を返した
次の瞬間―――――、