オレ様専務を24時間 護衛する
さっきは動揺し過ぎて、
アイツに肝心な事を聞いてない。
―――――――いや、待て。
アイツが『女』だとして、
何故、両親はアイツを俺のもとへ送り込んだ?
………分からない。
『女嫌い』と分かっていて『女』を送り込んだ。
……荒療治をする為か?
それとも俺が本当に『男』が好きか試してるのか?
………分からない。
けれど、何かが……あるハズだ。
それに、そもそもアイツは何で
『男装』までして俺の護衛を?
ああぁぁぁ~~~ますます混乱する。
一体、アイツは何者なんだ?
両親は俺をどうしようというのか。
混乱する頭を抱え、大きくため息を零す。
『今度の護衛役を引き受けた人は、何事も完璧にこなすから…』
『お前にとって、その者が最後のチャンスだ』
―――――甦る、両親の言葉。
松波をクビにしたら、親の決めた相手との結婚。
俺にはアイツ以外、後は無い。
煮えくり返るような想いをグッと堪えて…。
まずは、アイツが『女』だという証拠を掴もう。
話はそれからだ―――――――。