オレ様専務を24時間 護衛する
男性に迫られる事も、
恋人気分でいい雰囲気になった事もないのに、
人前でイチャイチャ、ラブラブだなんて…。
しかも、私からの“アプローチ”だなんて!
無理があるっていうのよ!!
――――そうだ!!
お母様に頼んで、何とかして貰うっていうのは?
そうよ、そうよ!!
その手があったじゃない!!
「あのっ「希和さん」
「あっ、はい」
言葉が被ってしまった。
「親バカなのは重々承知してるわ」
「………」
「それでもね、やはり一人息子だから、どんな子であっても可愛いモノなのよ」
優しく微笑む表情は愛に満ちている。
こんなにも素敵な愛情で育てて貰って、
どうしてあんな風に歪んでしまったのかしら?
余程、昔の恋人が忘れられないのね。
やっぱり、何だか………可哀想な人。
苦笑しながらお母様の両手を握り返し、
「大丈夫ですよ?口調はかなり刺々しいですが、意外と優しくして下さいますから」
「そうなの?!」
「はい」
私はお母様を安心させるように柔らかい笑みを。