オレ様専務を24時間 護衛する
―――――何なんだ? この光景……。
両親に促され、松波も席に着いて…。
コイツは俺の護衛だろ?
何故、一緒に食事をしてるんだ?
………腑に落ちない。
今までの護衛役や世話役達は、
皆、使用人ルームで待機していた。
それに何だ?!
『希和さん、希和さん』って。
そもそもコイツの名前、
『希和』って、女の名前じゃねぇか?!
初めて会ったあの日、
苗字しか耳に入ってなかったし、
知れば知るほど、確定的だな。
―――――コイツが『女』だと。
食事の席で声を荒げるのもどうかと思うが、
考えれば考えるほど、腹の虫の居所が悪い。
胸の奥がモヤモヤして、食事が喉を通らない。
この状況をただじっと我慢するとなると、
――――胃もたれしそうだな。
俺は早々に食事を終え、珈琲を口にした。
何故か、和やかに食事をしている両親に
「何故、コイツも一緒なんだよ?」
「んっ?」
俺の唐突の質問に唖然とする両親。
俺は小首を傾げながら、
「俺、変なこと言ったか?」