オレ様専務を24時間 護衛する
「あらっ?密談だなんて、人聞きが悪い。日頃のあなたの素行を聞いてただけよ?」
「フッ、白々しい」
京夜様は威圧感のある表情で仁王立ちに。
お母様はそんな彼に怯むことなく……。
「あら!?もう、こんな時間!!2人とも早く会社へ行きなさい」
何事も無かったように会社へと促した。
有難いような、有難くないような。
私が渋々重い腰を上げると、
ニヤリと悪魔のような笑みを浮かべ
「松波、行くぞ」
「はい!!」
条件反射のように、
彼の言葉に応答してしまう私。
―――――――習慣って怖い。
京夜様の後を追い、御影邸内を歩み進め
行き交う使用人さん達が会釈する中、
重い足取りで玄関へと……。
玄関前には見慣れた黒塗りの車。
いつの間にかピカピカに磨き上げられ、
当然のように開けられたドアから車内へ乗り込む京夜様。
―――――勿論、後部座席に。
私は深呼吸して、
運転席へ乗り込み、御影邸を後にした。