オレ様専務を24時間 護衛する
記憶を辿って、来た道を戻り
見慣れた大通りへと車を走らせた。
信号待ちの間、
チラリとルームミラーで後部座席に視線を向けると
静かに目を閉じている京夜様。
無言なのが返って怖い。
張り詰めた空気が漂う車内。
30分ほど車を走らせると、
漸く、会社へ辿り着いた。
所定の位置に車を止め、
颯爽と歩く京夜様の後を追う。
―――――女子社員からガードする為。
最近は心なしか、
むやみに近づく女子社員が減った気がする。
もしかして、『あっち系』効果?
私の気のせいかしら??
エレベーターの前まで辿り着くと、
素早く彼の前に移動し、ボタンを押す。
当たり前のようなこの光景。
けれど、今日は何だかほんの少し違和感を覚えた。
高層ビルのこの会社。
エレベーターは幾つもあるのに
乗るのは決まって中央のコレ。
シースルー状のエレベーターを見上げた
―――――その時!!