オレ様専務を24時間 護衛する
何とか無事に午前中の仕事をこなし、
会食を兼ねての打ち合わせ場所へ向かう事に。
エレベーターに乗り込んだ直後、
無意識に背中を壁に向け、
彼に背後を取られないように…。
そんな私を嘲笑うように見下ろす彼。
すかした顔で颯爽と車へ乗り込んだ。
フゥ~~ゥ~~~。
一先ず、安全地帯に到着。
さすがに運転中にどうにかしようだなんて
思わないだろうし、ここは安全よね?
私は京夜様に気付かれないように
静かに深呼吸し、車を発進させた。
向かう先は三ツ星ホテル『エトワール』
先日の打ち合わせも同じホテルだった事もあり、
場所はしっかり覚えているんだけど…。
あまり、良い記憶ではない。
だって、だって……。
この護衛任務初日の日に、
見知らぬ女性の前で、
あろうことか、濃厚なキスを。
しかも、よりによって私のファーストキスを。
もう、思い出しただけで腸が煮えくり返る。
―――――ホント、最悪!!