オレ様専務を24時間 護衛する
『女』としては、決して小柄ではないのに
彼と一緒に歩くと何故か子供になった気分。
ちょこまかと周りをうろつく……そんな感じ。
優雅に歩いているつもりでも、
やはり脚のストライドが違うと……。
相変わらず、むやみに殺気立っている彼の後を
小走り気味に必死に追いかけ
更には、周りを行き交う女性にも細心の注意を払って。
待ち合わせ場所のとある一室。
取引先の相手は『加藤ホールディングス』の専務。
京夜様同様、根っからのお坊ちゃま。
京夜様曰く、一癖ある人物らしい。
会社の規模は、御影の方が何倍も大きい。
だから今日は接待される側。
既に部屋には昼食が用意され、
如何にも“待ってました”という感じ。
秘書は20代半ばのスレンダー美女。
加藤の専務も中々のイケメン。
京夜様ほどではないけれど。
こうして3人を見ると、凄く絵になる。
―――――私1人、浮いている。