オレ様専務を24時間 護衛する
京夜side
父親とリビングで会話していると、
ふと、気が付いた。
―――――あの2人はどこに行った?
食後に席を外して、数分。
未だ……戻らず。
―――――怪しい。
きっと、コソコソと
何かしら打ち合わせでもしてんじゃねぇか?
俺は父親に電話が入った隙に席を立った。
リビングを出て、ダイニングへ戻ろうとすると
隣りのゲストルームから
聞き慣れた声が耳に届いた。
「希和さんは本当に、待ちに待った救いの神よ!!」
興奮気味の母親の声。
俺は無意識にその部屋のドアを勢いよく開けた。
―――――バン!!
「何が救いの神なんだ?」
俺は冷やかな視線と共に嫌悪感を露わにした。
だって、母親と松波が事もあろうに
今にも抱きしめあう……そんな光景だったから。
俺の行動にも動じない母親。
俺の言葉にもサラリと返答し、
何事も無かったように出社を促して来た。