オレ様専務を24時間 護衛する
俺の周りをちょこまかとうろつくのは変わりないが、
それプラス、辺りをキョロキョロと。
まるで、何かに怯えているかのように。
「おい、どうかしたのか?」
「あっ、いえ……何でもありません」
松波は苦笑しながら軽く会釈した。
―――――もしかして、
先日のバカ女の一件を気にしてるのか?
そう言えば、このホテルだったな。
まさか、コイツが『女』だとは思いもせず、
俺はコイツと……。
クソッ!!
無性に腹が立って来た。
何であんな事を思いついたのか。
自分で自分が情けない。
悶々としながら、
会食相手が待つ部屋へと。
指定された部屋へ赴くと、
相変わらず、いけ好かない男が1人。
それと、如何にも
『女豹』だと言わんばかりの女が1人。
フッ、いつ見ても虫唾が走る奴らだな。