オレ様専務を24時間 護衛する
そんな俺に気を遣ってか、
「あの、京夜様」
「………ん?」
「この後のスケジュールに特別なモノはございませんし、視察がてら百貨店へ足を運ばれるのは如何でしょうか?」
「百貨店にか?」
「あっ、はい」
そう言えばこの所、
デスクワークばかりしていて
売り場チェックをしてないなぁ。
ちょうど、時間も空いた事だし
……寄ってみるとするか。
「松波」
「はい」
「車を百貨店へ回せ」
「はい、承知しました」
俺の一言で、ミラー越しの松波の表情が
パッと明るくなったのは……気のせいか?
フッ、『女』は所詮、買い物好きという事か。
コイツの化けの皮が剥がれるのも時間の問題。
俺は百貨店内で、
奴の決定的な証拠を掴もうと、心に誓った。
車は御影百貨店本店の地下駐車場へと。