オレ様専務を24時間 護衛する
ハンターのような鋭い視線を浴びせる彼に
瀕死の状態の私は作り笑い。
出来る事なら、ここから逃げ出したい。
再び、歩き出した彼を追いかけるが
魂が勝手に逃避し始める。
何で男装なんかして、
百貨店内を追いかけっこしなきゃならないのよ。
知ってる人にでも会ったらどうするの?
従業員が皆、深々お辞儀をする中、
朦朧としながら各フロアをチェックしていると、
―――――――ドンッ!!
「す、すみません!!」
急に立ち止まった京夜様の肩にぶつかった。
「どうかされましたか?」
「お前、何か頼まれたんじゃないのか?」
「へ?」
「ん」
先程と同じように親指を立てて、
目の前のショップを指差している。
『LISSE』
あっ、お母様の言ってたお店だわ!!
「もしかして、ご存知だったのですか?」
「ん?何となく、そんな気がして。毎度の事だしな」