オレ様専務を24時間 護衛する
「いらっしゃいませ。専務!!」
「ん」
「お待ちしておりました。どうぞ、こちらへ」
毎度の事、待ってましたと言わんばかりに
営業スマイル全開で駆け寄る男。
俺の機嫌取りに全神経を費やす彼は
このショップ『LISSE』の店長。
そして、これまた準備万端とでも言ったらいいのか、
あっという間に目の前にスーツが並べられる。
はぁ~~ぁ~~~。
仕方ない。
こんな所で時間を無駄にも出来ないしな。
俺は渋々それらに袖を通す。
どれを着たって大して変わりは無い。
どうせ、服の良し悪しなんて
誰一人、気にも留めないのだから。
パーティー会場に集まる連中は、
どいつもコイツも
『御影』の名に興味があるだけ。
この服の価値も、
俺の存在ですら意味を持たない。
誰もがステータスを求めて近づきたいだけ。
そんな虫けらども相手に
愛想よく振る舞えるかってのッ!!