オレ様専務を24時間 護衛する


「いらっしゃいませ。専務!!」

「ん」

「お待ちしておりました。どうぞ、こちらへ」


毎度の事、待ってましたと言わんばかりに

営業スマイル全開で駆け寄る男。


俺の機嫌取りに全神経を費やす彼は

このショップ『LISSE』の店長。


そして、これまた準備万端とでも言ったらいいのか、

あっという間に目の前にスーツが並べられる。



はぁ~~ぁ~~~。


仕方ない。

こんな所で時間を無駄にも出来ないしな。



俺は渋々それらに袖を通す。


どれを着たって大して変わりは無い。

どうせ、服の良し悪しなんて

誰一人、気にも留めないのだから。



パーティー会場に集まる連中は、

どいつもコイツも

『御影』の名に興味があるだけ。


この服の価値も、

俺の存在ですら意味を持たない。


誰もがステータスを求めて近づきたいだけ。


そんな虫けらども相手に

愛想よく振る舞えるかってのッ!!


< 234 / 673 >

この作品をシェア

pagetop