オレ様専務を24時間 護衛する
3着目のジャケットを羽織ろうとした
―――――――その時!!
俺のすぐ傍にいるはずのアイツが
何故か、俺に背を向け
どこかへを行こうとしている。
この俺様を置き去りにして、
自分1人でのんびりと、
『買い物』をしようなんて
まさか、考えてんじゃないよな?
「おい、松波」
「!? はっ、はい!!」
「どこへ行く気だ?」
「へ?あっ、いえ、店内の商品を少し見ようかと思っただけです」
「ふぅ~~ん」
白々しい嘘を吐きやがって。
この俺様から逃げられると思うなよ?
俺は喧嘩を売るような仕草で奴を呼ぶ。
すると、あからさまに挙動不審で
俺のもとへと歩み寄って来た。
―――――そうそう。
処刑台に上がるみたいなその表情。
恐怖に満ちたその眼が、
俺の心にじんわりと染み込む。
まるで、この俺が
奴の生死を分ける鍵を握るかのように。
そんな松波に、