オレ様専務を24時間 護衛する


俺の言葉に安堵の表情を浮かべる店員達。


恐らく、俺が毎回難癖をつけていたのに

今回はすんなり決めたものだから……。


しかも、面白いほどに手際がいい。


フッ。

俺の気が変わったりでもしたら大変だからと

さっさと片付けてしまおうという魂胆か。


まっ、いいさ。

……今のところは。


何たって、今日は俺様の機嫌がいいんでな。


この『偽男』に感謝しろよ?



俺は着て来たジャケットを羽織り、

ネクタイを締め直していると。


………んッ?!


「何だ?その眼」

「ッ?!……いえ、何でもありません」


しかめっ面で俺様を見てやがる。

コイツも店員と同じ事を思ったのだろう。


―――――俺が即決したものだから



手の空いた店長が、


「他に何かございますか?」

「そうだな」


俺の顔色を窺うように

営業スマイル全開で俺のもとへ。


他店で調達しようと思っていたが、

………ここでいいか。


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