オレ様専務を24時間 護衛する
まるで戦車を思わせるような厳つい色。
こんな色のドレスを着たがる女がいるだろうか。
やはり、この店が他と違うのが良く分かる。
デザインといい、生地といい斬新なモノばかり。
それでいて高級感がり、
百貨店創業以来の付き合いなだけある。
さて、そろそろ退散するか。
『女嫌い』だと知っている店員であっても
……所詮、女。
『もしかしたら、私なら……』などと、
世にも恐ろしい事を考える奴らばかり。
俺に色目を使って近寄って来た。
本来なら、罵声を浴びせる所だが
今日ばかりは1万歩譲ってやる。
俺はそんなゲス女に触れそうな距離まで近寄って
似非紳士スマイル全開で耳打ちを。
………オェッ。
何だッ?!………この匂い。
香水と化粧品とシャンプーの匂いか?
恐ろしいほどにミックスされ、
思わず、吐気が込み上げて来た。