オレ様専務を24時間 護衛する
―――――――コンコンッ
「失礼します」
俺が窓の外を眺めていると、
松波が珈琲を手にして現れた。
「あの、京夜様」
「ん」
「土曜日ですが、何時頃までに戻れば宜しいでしょうか?」
「土曜日?」
「あっ、はい。パーティーの件も兼ねて、友人と会う約束をしているので…」
「……そうだったな」
松波は、申し訳なさそうに口を開いた。
そんな奴をしれっとした顔で拝みながら、
俺は差し出された珈琲を口にした。
フフッ……フフッ。
恐ろしいほどの妙案が浮かんだ。
―――――――俺はやはり、天才だな。
この手があったとは……。
あまりの妙案ぶりに、思わず、頬が緩み出す。
そんな表情を悟られまいと、
俺は松波に気付かれないように
「ゴホッ」
無理やり咳払いを1つ。
そんな俺の顔色を伺うように覗き込む松波。