オレ様専務を24時間 護衛する
「御影の御曹司って、本当の所、どうなの?」
「どうって?」
「やっぱり、『プリンス』って感じ?」
「……ん~……」
朱夏の質問に答え兼ねる。
本当の姿の話をして良いものか。
本来、依頼人の事を口外するのはタブー。
けれど、朱夏には本当の事を伝えておくべきのような…。
しかも、何?
『プリンス』って。
プリンスはプリンスでも、
『魔界のプリンス』って感じだし。
フフフフッ………。
「何、1人でニヤニヤしてんの?」
「へ?」
朱夏に言われ、ハッと我に返った。
私、無意識でニヤけてたみたいね。
「この前の電話でも話したけど、『女』を毛嫌いしてるし、容赦しない」
「希和にも?」
「……私は………」
「ん?」
「私は男装してるし、今のところ『女』だってバレてないから……多分…」
―――――――バレてないよね?
だって、バレてたら瞬殺でアクション起こすだろうし。
あっ!! でも……。
私をクビにしたら、
彼は親が決めた相手と結婚させられるんだった。
………だから、我慢してるとか?