オレ様専務を24時間 護衛する
京夜side
―――――木曜日の昼過ぎ
昼食を終えた俺と松波は
俺の実家へと向かっていた。
毎度の事、パーティー前になると
あれやこれやと口煩い両親。
まぁ、それだけ世間の目が集中する訳だから
否応無しに準備をして当然なのだが。
「京夜様、今日はどのような件でお伺いするのですか?」
「さぁ」
「さぁって、ご存知ないのですか?」
松波は運転しながら、
後部座席の俺に話し掛けて来る。
何の用かって、そんなの決まってんだろ。
パーティーへ同伴させる女の最終チェックだっての。
本来ならば、両親が決めた相手を同伴させるのだが
今回は俺が手配した事で相当気になるらしい。
フッ、別に女なんて、誰であろうと皆同じだ。
俺様の横にいて、無言で会釈出来ればそれでOK。
下手に出しゃばらなければそれで十分。
ただ、どこぞの両家の娘と来たら……。
事前の顔合わせの時は
大人しそうに澄ましていたのに
パーティー当日になった途端、
目の色変えて愛想を振りまきまくる。
まるで、『私が婚約者よ』と言わんばかりに。