オレ様専務を24時間 護衛する
「ねぇ、京夜」
「ん?」
「その偽男ってのはイケメンなの?」
「はっ?」
「だから、男に扮装するくらいなんだから、美形なんでしょ?」
「………ん~…………まぁ、綺麗系だろうな」
「へぇ~。会ってみたいわね」
「フフッ、見てみるか?」
「えっ?いいの?!」
みかはハンドルを握る俺の腕をギュッと掴んで
「見たい!見たい!!見たぁ~い!!」
「あぁ、分かった分かった、静かにしろ」
興奮気味のみかを宥め、車を走らせた。
「一通りの事が済んだらな?」
「うん、約束だからね?」
「あぁ」
「じゃあ、サッサと用事は済ませないと♪」
女って生き物は現金だよな。
さっきまでツンとしてたかと思えば、
もうコロッと表情が明るくなってる。
切替が早いというか、短絡的というか。
俺には一生理解は出来なさそうだ。
他愛ない会話をしながら、目的地に到着。
煌びやかな照明とピカピカに磨かれたショーケース。
そして、重厚感のある大理石の床が視界に。
「いらっしゃいませ」
俺とみかは店内奥へと案内された。