オレ様専務を24時間 護衛する
「おい、みか」
「ん?」
「何か、忘れてないか?」
「えっ?………あっ、そうだった」
自分の買い物に耽っていて、俺の頼みを忘れるとは……。
――――いい度胸してるよ。
「あの、セットも見せて下さる?」
「はい、勿論でございます」
更に商品を見るとあって、店員の表情が一段と明るくなった。
そりゃあそうだろ。
高額な宝飾品を迷わず大人買いするんだから。
「京夜、ドレスは写メで送られて来たのでいいんでしょ?」
「あぁ」
「私の好みになるわよ?」
「ん~、何でもいいよ。適当に」
「了~解♪」
みかは店員と共に、更に奥の部屋へと姿を消した。
待ち時間に珈琲を出され、
俺は優雅にそれに口を付けた。
すると、
「あの………」
如何にも『お近づきになりたいわ』オーラを醸し出す店員が
むやみに瞬きをしながら俺の目の前に。
気色が悪いのなんのって。
急に吐気と共に頭痛がしてくる。
みかの奴、何してんだ?
とっとと選んで帰ってきやがれ!
変な害虫が寄って来たじゃねぇか!!