オレ様専務を24時間 護衛する


「おい、みか」

「ん?」

「何か、忘れてないか?」

「えっ?………あっ、そうだった」



自分の買い物に耽っていて、俺の頼みを忘れるとは……。

――――いい度胸してるよ。



「あの、セットも見せて下さる?」

「はい、勿論でございます」



更に商品を見るとあって、店員の表情が一段と明るくなった。

そりゃあそうだろ。

高額な宝飾品を迷わず大人買いするんだから。



「京夜、ドレスは写メで送られて来たのでいいんでしょ?」

「あぁ」

「私の好みになるわよ?」

「ん~、何でもいいよ。適当に」

「了~解♪」



みかは店員と共に、更に奥の部屋へと姿を消した。





待ち時間に珈琲を出され、

俺は優雅にそれに口を付けた。



すると、


「あの………」


如何にも『お近づきになりたいわ』オーラを醸し出す店員が

むやみに瞬きをしながら俺の目の前に。


気色が悪いのなんのって。

急に吐気と共に頭痛がしてくる。



みかの奴、何してんだ?

とっとと選んで帰ってきやがれ!

変な害虫が寄って来たじゃねぇか!!



< 275 / 673 >

この作品をシェア

pagetop