オレ様専務を24時間 護衛する


別に用を頼んだ訳でもないのに、

満面の笑みでしゃがみ込んだ。


――――ウザい、ウザすぎる。


休日の日ぐらい、解放して欲しい。

そう心の中で思っていても、目の前の女には通じない。



俺は仕方なく、

足を組んだ上に両腕まで組んで、

完全無視するように一瞥し、無言で目を閉じた。


―――――――――寝るから、邪魔するなよ?



すると、衣擦れの音と共にヒール音が遠ざかって行く。


安堵の溜息を零しながら、

店内に流れるBGMに耳を傾けていた。




暫くすると、


「京夜、お待たせ」

「遅ぇーよッ!!」

「文句言わない!代わりに選んであげたのは誰よ?!」

「ッ!!」


それを言われると文句も言えねぇ。

俺は渋々腰を上げると、


「喉が渇いたし、軽く何か美味しいモノが食べたい」

「………」


出た出た出た!!

休憩タイムのリクエスト。

しかも、『美味しいモノ』ってなんだよ。

食べたいモノがあるなら、固有名詞を出してくれっての!


みかは当然の事ながら、口煩い。

味は勿論の事、店の雰囲気だって容赦しない。



この近場に、みかを唸らせる店があったっけかな?



< 276 / 673 >

この作品をシェア

pagetop