オレ様専務を24時間 護衛する
別に用を頼んだ訳でもないのに、
満面の笑みでしゃがみ込んだ。
――――ウザい、ウザすぎる。
休日の日ぐらい、解放して欲しい。
そう心の中で思っていても、目の前の女には通じない。
俺は仕方なく、
足を組んだ上に両腕まで組んで、
完全無視するように一瞥し、無言で目を閉じた。
―――――――――寝るから、邪魔するなよ?
すると、衣擦れの音と共にヒール音が遠ざかって行く。
安堵の溜息を零しながら、
店内に流れるBGMに耳を傾けていた。
暫くすると、
「京夜、お待たせ」
「遅ぇーよッ!!」
「文句言わない!代わりに選んであげたのは誰よ?!」
「ッ!!」
それを言われると文句も言えねぇ。
俺は渋々腰を上げると、
「喉が渇いたし、軽く何か美味しいモノが食べたい」
「………」
出た出た出た!!
休憩タイムのリクエスト。
しかも、『美味しいモノ』ってなんだよ。
食べたいモノがあるなら、固有名詞を出してくれっての!
みかは当然の事ながら、口煩い。
味は勿論の事、店の雰囲気だって容赦しない。
この近場に、みかを唸らせる店があったっけかな?