オレ様専務を24時間 護衛する
「もう済ませたのか?」
「ん」
「全部?」
「えぇ。頼まれた事は全てね」
「………助かる。悪かったな」
「ヤダッ、京夜が礼を言うなんて、槍でも降るんじゃない?」
「酷い言い様だな」
「本当の事でしょう?」
………確かに。
この俺が礼を口にするとは……。
まぁ、みかは特別だ。
弟みたいなもんだしな。
「なら、とっとと出るぞ。害虫が多すぎて吐気がする」
「……………」
俺は携帯をポケットに入れ立ち上がると、
「もうお帰りですか?」
「……そうみたい」
苦笑しながらみかが答える。
俺は無表情で軽く会釈し、その場を後にした。
―――――――会釈。
一応、常識を弁えている。
下げたくも無い頭を下げるには、理由があるからだ。
来た道を颯爽と歩き、
深々とお辞儀をするスタッフ達の前を通り、
再び蔓薔薇のアーチをくぐって……。
愛車に戻った頃にはぐったりとしていた。
………慣れない環境に死ぬほど疲れた。
そんな俺の隣りに座ったみかは、