オレ様専務を24時間 護衛する



国道を軽快に走行し、暫くして……。



「ッ?!」


急に右腕をガシッとみかに掴まれたと思ったら、


「Sorry,You’re fading in and out.Wait a sec .(second)」


おいおいおい、まさかとは思うが……。


「京夜。悪いけど、ちょっと道端に止まってくれる?」

「あぁ?」

「電波が悪いんだか、途切れ途切れになっちゃうの」

「だから?」

「だから、止まって!!」

「………」



マジでムカつく野郎だな。

俺が黙ってろって言った事さえ、きっと忘れてやがる。


しかも、俺の右腕を掴んだまま

顎で早く『止まりなさいよ!』と言わんばかりに指図を。


全く!! 俺は運転手じゃねぇッ!!



しかし、今日ばかりはコイツに借りがあるので

500万歩譲って、少し路側帯の広い場所に止めてやった。



すると、再び話し始める………みか。

――――――――それも、臭すぎる愛の囁きを。




俺は、今日1番の大きな大きなため息を漏らした。



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